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駆除日記:シマリア人気!実は外来種!

今日は12月23日の新聞の記事を紹介します。

三重県いなべ市と滋賀県東近江市にまたがる鈴鹿山脈の御池岳(標高1247メートル)で多く見られるシマリス。長い尾と背中のしま模様がかわいいと登山客に人気だが、実は外来種だ。ペットとして輸入された後、放たれて野生化したとみられ、関係者からは在来種のニホンリスなどへの影響を不安視する声が上がる。ただ、生態系に対する具体的な被害は不明で、調査や対策は進んでいないのが現状だ。

来春までの冬眠の時季が迫る11月上旬、いなべ市側から続くコグルミ谷ルートを歩くと7合目付近で1匹目を確認。その後も次々に現れ、山頂までの往復で延べ8匹わわ見た。オニグルミなどの実を頬に詰め込む様子に、登山者はしきりにレンズを向けていた。日本のシマリスは本来、北海道にエゾシマリスがいるだけ。三重県など本州で確認されている個体は、韓国や中国から輸入されたペットだったとみられる。御池岳は、交流サイト(SNS)を通じてシマリスが見られる場所として知られるようになった。ただ、話を聞いた12人のうち外来種であると知っていた目という愛知県西尾市の40代男性は「外来種というのは知っているが、北海道に行かないと撮れないので」と複雑な表情を浮かべた。

環境省、農林水産省は甚大な被害が予想されるとしてシマリスを「生態系被害防止外来種リスト」に掲載し、対策の必要性が高いと呼びかけている。だが、生態系などに深刻な被害を及ぼす、また可能性があるとして法律に基づいて指定される「特定外来生物」と違い、輸入や飼育、野外放出などの禁止、違反した場合の罰則はない。30年以上前から御池岳に登り、仲間と登山道の整備もするいなべ市の伊藤六栄さん(75)は「初めて見たのは1998年ごろ。ここ数年は山頂付近まで生息域が広がり、数も増えた」と話す。一方で「最近は在来種のニホンリスをほとんど見かけない」と心配する。三重県内の自然を研究する三重自然誌の会の清水善吉事務局長(66)は「シマリスがもともといた動物と餌を取り合っているのでは」と推側する。

とはいえ、三重、滋賀両県とも現時点で調査や対策の予定はない。今年7月現在で162種類が指定されている特定外来生物の駆除などが優先のためだ。清水さんは「地球上の生き物のバランスが崩れると自然環境が悪化するなど人間にも悪影響が出る」と強調。「まずは看板などでシマリスが外来種であると周知し、生物多様性について考えるきっかけにして」と訴える。